2007年11月16日(金) 17時20分
空高くそびえる超高層ビルどうやって解体するの?(R25)
見上げてたら首が痛くなってきた…。六本木に丸の内、最近は東京の各地で再開発が行われ、100m以上の超高層ビルが次々と誕生している。でもいつか老朽化すれば取り壊される日もやってくる。クレーンも届かない高さ、いったいどうするの? と、富士解体工業株式会社の管野哲也社長に聞いてみた。
「10階程度のビルなら、地上からアームの先にハサミ状のアタッチメントを付けた解体重機を操作し、建物を砕いたりちぎったりします。でも超高層ビルの場合、まずアームが届かないので手壊しという方法を用います。実際に人が最上部まで行って、順序よく建物のパーツを外し、重機が使える50m前後まで建物の高さを下げるんです」
えっ、基本は解体重機を使わない?
「解体のポイントは、バラした資材をどうやって運び出すかです。超高層ビルはたいてい鉄骨造りで、そこに板状のコンクリートをボルトではめこむ構造。なので建設の行程を逆にたどるように屋上までタワークレーンを組み立て、取りはずした資材を降ろすのが1番スムーズです。ちなみにクレーンの支柱スペースには、エレベーターの通り道がよく利用されますね」(同)
建物をガリガリと粉砕するイメージがあったけど、意外とスマートなのね…。
「どんな小さな破片でも、何十メートルという高さから落下すれば大事故につながる。超高層ビルに解体重機を使わないのはそういった安全面への配慮もあります」
じゃあ外国みたいに、爆薬でドカーンと一発というのも…。
「地方のダム解体ならともかく、国内の都市部ではまずあり得ません。発破した際の音が強烈ですから。近隣の方に迷惑をかけないようにするのも重要です」
解体作業をするにあたっては、業者からご近所への挨拶まわりなど、気配りが欠かせないとのこと。つまりビルの耐用年数は過ぎても、周囲のお付き合いまで解体しちゃマズイってわけね。
(R25編集部)
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※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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