記事登録
2007年11月14日(水) 02時32分

<太田大阪知事>飲食会は「公務」 「職員動員せず」も虚偽毎日新聞

 大阪府の太田房江知事(56)が、府の公共工事入札参加資格業者を含む中小企業の経営者らが主催する飲食会に繰り返し参加し、高額謝礼を受け取っていた問題で、府が知事の参加を「公務」と位置付けていたことが分かった。府職員にも公務時間に受付などを手伝わせていた。山田信治・知事秘書は当初、記者会見で「公務とはいえない」と説明していた。

 また、太田知事は7日の定例会見で職員動員について「今はしていません」と説明していたが、会見直前の会合でも職員が手伝っており、虚偽説明だったことが分かった。公務への高額謝礼と虚偽説明の両面で知事のモラルが問われそうだ。

 今回の問題を巡っては、山田秘書が「公務ではない」と発言した後に、職員が公務時間中に受付などを手伝っていたことが判明。秘書室は13日、「山田秘書の説明内容は知らないが、この会合への参加は府政情報を発信するための公務」と説明した。

 府によると、中小企業の経営者ら30人による「関西企業経営懇談会」が03年4月〜07年9月、大阪市内のホテルで計11回主催した飲食会のすべてに太田知事が参加し、総額981万円の謝礼を受け取った。

 秘書室によると、少なくとも04年以降の9回すべてで、職員2〜3人が毎回約2時間、受付などを手伝ったことが確認できた。4回は職員が年次有給休暇をとって手伝い、残り5回は公務時間中だった。府秘書室は「公務だが、職員が自主判断で有給をとった場合もある」と説明している。

 飲食会は、知事が府政状況などについて平均10〜15分程度話した後、参加者(十数人〜二十数人)と飲食を共にする約2時間の催しで、特定の顔ぶれが繰り返し参加。知事は「講師謝礼」として1回50万〜100万円を受け取っており、幹部を含む複数の会員が「飲食会の主目的の一つは知事にポケットマネーを提供すること」と証言。複数の府議が「公務なのに、なぜこれほど高額の謝礼をもらうのか」と批判している。【岩崎日出雄、鮎川耕史】

 ▽公務員倫理の問題に詳しい原田三朗・駿河台大名誉教授の話 少数の特定業者だけの集まりに繰り返し参加して酒食を共にし、100万円もの法外な謝礼を受け取りながら「公務」と説明するのは不自然だ。また、仮に知事の参加が公務だとしても、業者主催の会合の受付に府職員を動員するのはモラルに反する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071114-00000015-mai-soci