2007年11月13日(火) 17時00分
“不良モノ”の今昔をさくっと振り返ってみた(R25)
かつて不良映画といえば『ビー・バップ・ハイスクール』(85年)だった。ツッパリ2人の“ワイルドな青春グラフィティ”は、「不良って怖いと思ってたけど、けっこうイイヤツじゃん」的親近感で当時大ヒットしていた。
折しも80年代は“校内暴力”が深刻化してきた時代。テレビでは、いじめで非行化した娘との闘争の日々を綴ったドラマ「積木くずし」がセンセーションを呼んだり、不良学生たちをラグビーで更正させる「スクール☆ウォーズ」を観て胸を熱くしたという時代背景でもあったのだ。
だが90年代に入ると、不良のファッションや、肩で風切る態度が「イマドキの空気感と違うよね〜」ということで〈不良モノ〉は敬遠されがちになっていった。
そんな風潮のなか熱狂的なファンを獲得していたのが91年から99年まで月刊少年チャンピオンに連載された漫画「クローズ」。拳で語る漢たちの雑念のないファイトや友情のアツさ、心に刺さる名ゼリフなど男心を刺激しまくりの硬派な内容は、時代の倦怠感を吹き飛ばす圧倒的なパワーを秘め、なおかつワルカッコイイ、オシャレなファッションなど、カルト的人気となる必要事項をクリアしていたのだ。
「『クローズ』では、弱い者いじめをする人間は1人もいません。自分が何者で、どれだけの男なのか知るために自分の居場所を拳ひとつで作り上げようとした生き様が描かれているんです」(『クローズ ZERO』山本プロデューサーの会見コメント)
現在公開中の映画『クローズ ZERO』は、コミック版『クローズ』の時代から遡ること1年。悪名高き、鈴蘭男子高校の完全制覇をもくろんだ不良たちの、史上最大の“テッペン争い”が勃発するという完全オリジナルストーリーだ。
21世紀に入り、再びいじめや校内暴力は問題視されている。これに呼応するかのように不良映画も着実に公開されてるし“時代は不良モノ!”…なんてこの全方位時代になるわけないか(笑)
(R25編集部)
「ここ10年間で公開された主な不良映画実写のみ」を見る
※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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