高級料亭「吉兆」のグループ会社・船場吉兆(大阪市中央区)が福岡市の店舗で菓子や総菜の期限表示を改ざんしていた問題で、売り場責任者だったパート従業員が農林水産省の調査に対し、会社側も改ざんを認識していたと証言していることがわかった。
同社経営陣はこれまで「現場のパート任せだった」と説明しており、農水省は、両者の主張の食い違いについてさらに調べる方針。
パート従業員は農水省の聞き取り調査に対し「期限切れの商品の取り扱いについて船場吉兆の取締役に聞いたところ、『頑張って売って』と言われた。ラベルの張り替えを取締役が見ていることもあった」と証言したとされる。売り上げや在庫の記録は毎日、大阪の本店にファクスで報告していたという。
一方、福岡の店舗を統括する湯木尚治取締役は読売新聞の取材に「経営者なら当然、『頑張って売って』と言うが、それは期限切れ前の商品についての話で、『期限を延ばせ』とは絶対に言っていない」と反論。「売り上げ日報」など4枚の報告書が本店に届いていたことは認める一方で、「売れた物がいつ仕入れたか分からないので、期限切れかどうかも確認できない」と話している。