2007年11月09日(金) 11時38分
猫の糖尿病(5)「切ない雄たけび」(ツカサネット新聞)
我が家の愛猫しまごろうは、7歳になるオス猫です。同い年の妹ミーコと私たち夫婦で、仲良く暮らしています。
さて、そのしまごろうですが、昨年11月4日に糖尿病と診断され、毎朝晩、インスリン注射の治療をしています。糖尿病は、人間の病気と同様に、死病ではありません。ちゃんと血糖値のコントロールをしてやれば、長生きする症例はたくさんあります。また、しまごろうは、妹ミーコと繁殖してもらっては困るので、生まれて半年で去勢。オトコでもオンナでもない体になっています。そんなしまごろうですが、オトコになる瞬間があります。
この雄たけびを聞いてください。(本文MP3 URLをクリック願います)
猫のこのような声を初めて聞く人は、驚かないでくださいね。かくいう私も初めて聞いたときは、度肝をぬかれました。ふだんは、荒々しい声など一度もあげたことのないおとなしい猫なのです。
でも、我が家の小さな、文字どおり「猫の額」ほどの庭に、よその猫が侵入すると、相手がオスであろうが、メスであろうが、しまごろう、しっぽを2倍にも3倍にも膨らませ、「誰じゃー、おまえー! 誰が入っていいと言ったー!出て行けー、出て行けー!!」とばかりに、雄たけびをあげます。
それが、先の音声です。家のリビングの窓越しに吠えます。糖尿病だろうと、去勢されていようと、オスの本能がよみがえるようです、なわばりを荒らされていると思うのでしょうね。
そう、我が家はしまごろうの所有物のようなのです。でも、しまごろうが敵と対面するのは、いつも窓越し。外に出すと、事故、怪我、病気が怖いので、ずっと家猫として育てているからです。
「窓越しの雄たけび」。
飼っているヒトの私たちにとっては、怪我も病気を映される心配もいらないので安心ですが、果たして、しまごろうにとってはどうなのか、知る由もありません。その代わり、最期まで責任を持って飼う。そう決めています。でも、ときどき、こんな雄たけびを聞くと思うのです、私たちの判断は果たしてよかったのかと。
本当は外猫として、自由気ままに生きさせたほうがよかったのではないか。家に閉じ込めたことで、ストレスに弱い猫のしまごろうは、やはりストレスが原因のひとつとされる糖尿病にかかったのではないか。外猫が我が家の小さな庭にやってくるたび、そんなことを堂々巡りで思います。
病気の猫を持つヒトの性(さが)ですね。切なくなる瞬間です。
▼猫の糖尿病(1)「うちの子にかぎって」
▼猫の糖尿病(2)「想像を絶する」
▼猫の糖尿病(3)「猫もカスガイ」
▼猫の糖尿病(4)「お金の問題How much?」
(記者:しまミーコ)
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