厚生労働省や同省所管の独立行政法人の業務委託先が、委託事業以外の目的に使うなどした不適正な経理処理が総額約2億7400万円に上っていたことが、会計検査院の調査でわかった。
このうち少なくとも約4480万円については、裏金としてプールするなどの不正が行われていた。検査院の指摘を受け、厚労省などは返還を求める。
検査院によると、厚労省の17労働局では2001〜06年度、商工会議所や経営者協会など37団体に対し、企業説明会開催などの委託費として総額約18億8845万円を支払ったが、このうち計約1億1750万円の経理が不適正と認定された。関西地方のある商議所では、委託費で購入した切手2600万円分のうち、約1200万円分を会報発送に使い、会計検査の直前、総勘定元帳やパソコンのデータを改ざんしていた。また、関東地方のある経営者協会は、求職者向け冊子の印刷費を業者に114万円水増しして支払い、返金させて目的外に使用した。
また、独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」(東京)では、06年度までの8年間に、18都道府県の雇用開発協会などへの委託費での不適正な経理処理が約1億960万円に上った。北海道、青森、千葉、東京、香川の5都道県の協会では、カラ出張やカラ雇用で計約2450万円の委託費を裏金としてプールし、飲食などに使っていた。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20071109-OYT8T00229.htm