2007年11月09日(金) 14時37分
<モバイルスイカ>偽名繰り返し登録 1枚のカード悪用(毎日新聞)
電子マネーの不正利用が発覚したJR東日本の会員制サービス「モバイルSuica(スイカ)」をめぐり、1枚の決済用クレジットカードを使って、三つの偽名で次々に不正な会員登録が繰り返されたケースがあることが分かった。JR東日本はシステム改善に乗り出したが、カードを悪用された被害者からは不安の声があがっている。【川上晃弘、佐々木洋、古関俊樹】
東京都の男性会社員(41)が、カード会社からの連絡で被害に気付いたのは今年9月末。モバイルスイカの会員になったことはないのに、電子マネーを使って4日間で約20万円の買い物をしたことになっていた。
JR側が調べたところ、男性とは名字も名前も異なる3人の男の名前で虚偽の会員登録がされていたことが分かった。短期間に入会と退会が繰り返され、不正利用が続いていたという。
「カードは手元で厳重に管理していたのに、どうして勝手に会員登録されてしまうのか」。被害額はJR側が補てんすることになったが、不信感は消えない。
「カード決済を利用するインターネット上のショッピングで一般的に利用されているシステムを参考にした」。JR東日本はそう説明する。他のネットショップも、利用時にカード情報や名前、生年月日などを入力させているが、カード会社とのデータ照合は一部の情報に限られていることが珍しくないという。
JR側はモバイルスイカが使用された翌日に、高額なチャージや不自然な利用がないかチェックはしていた。だが、不正の事後チェックに過ぎず被害防止の決め手にはならなかった。
不正発覚を受け、JR東日本は4日間の利用総額が7万円を超えた場合はカードと携帯電話の利用を停止する対策を既に導入した。不正登録を防ぐためのシステム変更についてもカード会社などと協議を進めることにしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071109-00000071-mai-soci