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2007年11月08日(木) 15時01分

候補者の主張:大阪市長選アンケ/上 /大阪毎日新聞

 18日投開票の大阪市長選には現職と4新人の計5人が立候補している。市が抱える課題や将来像について、主な4候補に五つの質問をし、主張を聞いた。(届け出順。原則として各候補の回答をそのまま掲載)
 ◆質問
 (1)大阪市がこの2年間進めてきた「市政改革」を評価しますか。問題点は何ですか。
 (2)大阪市の財政をどのように再建しますか。いつまでに何を実行しますか。
 ◆候補者名
 ◇橋爪紳也候補 46=無新
 (1)関氏の市政改革には一定の評価をしています。しかし、WTCなど三セク処理問題では、特定調停による抜本処理の先送りを行い、傷口を広げました。背景には、市の内部から市長を選出し続けてきた市の体質があります。厳しい財政状況を理由に、現市政は市民の活力の芽を摘んでおり、大阪の未来は描けません。
 (2)三セク処理問題で生じる損失補償に対し、市の資産の売却、担保とした資金調達を検討します。手段として市役所を賃貸ビルに見立て、不動産の証券化手法を検討します。市職員の削減や市場化テストの導入で、効率的な行政を実現します。同和利権にも健全な競争原理を導入します。いずれも速やかに実行します。
 ◇平松邦夫候補 59=無新
 (1)職員厚遇見直しなど、一定の歳出削減を実現した点は評価するが、予算や職員の一律削減、採用凍結、地下鉄の民営化方針などで市民サービスの低下が懸念され、大阪経済の活力も失われている。一方、三セク破綻や同和関連事業問題の経営責任は不明確で、市長・幹部の保身がうかがえる。真の改革は行政出身市長では不可能だ。
 (2)すべての面から行政の無駄を省き、組織の簡素化・効率化を不断に進めるのは当然だが、「減量」だけでは大阪の元気は出ない。明確なビジョンに基づく選択と集中によって、歳出の大胆な「シェイプアップ」を図る。歳入増のため、自治体への税財源移譲を求めるとともに、市長自ら先頭に立ち、シティーセールスを積極展開する。
 ◇関淳一候補 72=無現(2)
 (1)市政への信頼回復と財政危機の克服に向けて、市政改革として1200億円の経費削減、4500人の職員数削減、労使関係の正常化、旧同和対策事業の全面見直し、公益通報制度の導入などコンプライアンス体制の確立を行った。改革の仕組みづくりはでき、改革の道筋は見えてきたが、まだ道半ば。改革継続が今後の課題だ。
 (2)2012年度当初の職員数3万6000人台を目標に職員削減するなど、人件費をはじめ大幅な歳出削減(5年間で2250億円の経費削減)を行い、経常収支比率は95%、市債残高は10年後には市税の3倍を下回る水準を目指し、健全な財政基盤の確立に取り組む。重点政策予算枠を増強し、施策・事業の重点化を一層進める。
 ◇姫野浄候補 72=無新
 (1)現行の市政改革マニフェストは新婚家賃補助の見直しやごみ収集の有料化、保育料値上げなど市民サービスの削減が目白押しだ。また、水道や交通、病院事業の民営化、保育所の民間委託など地方自治体としての役割を放棄するもので重大である。このように現行の市政改革は「改革」の名に値せず、抜本的に見直す必要がある。
 (2)無駄な大型開発や破綻三セクへの公金投入を抜本的に見直す。現市長が合意した特定調停は、WTCに入居して高額家賃を支払うことを前提とし、しかも最終的に債務を保証するもの。税金の無駄遣いだ。金融機関に一層の債権放棄を迫る。また、同和行政を完全に終結させる。

11月8日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071108-00000210-mailo-l27