日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は8日、セーリングRSX級の国枝信哉(37)(TEARS/MRC)が、9月上旬の競技会期間の抜き打ち検査で禁止薬物のフィナステリドに陽性となり、2年間の資格停止処分を決めたと発表した。
日本セーリング連盟(JSAF)関係者によると、国枝選手は育毛などのための処方薬を使用しており、禁止薬物と知らなかったと弁明したという。
フィナステリドは、発毛剤などに含まれている成分で、今年8月、ソフトバンクのガトームソン投手が陽性となった。筋肉増強剤の使用痕跡を隠す効果を持つとして、禁止薬物に指定されているが、痕跡隠しに使用したかどうかを判定する分析法が開発され、2008年リストでは、資格停止期間を大幅に軽減できる「指定薬物」扱いとなる。
国枝選手はウインドサーフィン歴12年のプロ選手で、昨年のプロランキングは3位。JSAFは北京五輪に向け、各種目合計36人の強化選手を指定、RSX男子では3人が指定されたが、国枝選手は入っていない。