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2007年11月06日(火) 15時03分

スピードメーターはあてにならない?オーマイニュース

 実家の岡山から帰る途中、兵庫県赤穂市内にある山陽自動車道高山トンネルで制限速度の時速80キロを超え、オービスに捕捉されたことに関して、以前、記事を書いた。

 4月の中旬、兵庫県警高速道路交通警察隊より呼び出し状が来たが、遠方であったため、最寄りの警察署での調書代行を依頼した結果、5月の連休時に呼び出しが来た。高速道路交通警察隊には、電話した時にひととおり状況を聞かれていたが、その時の調書らしき書類を参考にしながら正式な調書が取られた。

 送られてきた書類を見ながら、警察官は言う。

警察官: 前を不審な車が走っていたので、避けようとしたのですか?

記者: センターラインに寄ったり、左に寄ったりなどふらふらしている白い車がいたので、避けるために追い越そうと速度を上げたら、オービスに捕捉されました。制限は80キロでしたが、トンネル内では特別な速度制限があるのですか?

警察官: 高速道路は時速100キロですが、道路状況によっては80キロに制限されます。上信越道でもカーブやトンネルの多い場所は80キロです。

記者: 安全確保のための運転操作だったのですが……。

警察官: 気持ちは分かりますがね……。これで正式な調書が取れたので、兵庫県警へ送ります。あとで検察庁から連絡があります。

記者: いつごろになりますか?

警察官: 罰金額の通知と1日講習の通知とどっちが早いかな。同時期かも知れない。

記者: 罰金額はどのくらいになります?

警察官: 今回は10万円くらいかな。分割支払いはできません。

 7月上旬に、検察庁(区検)と県警から連絡が来た。検察庁に行くと罰金を払うか、正式に裁判するかの選択になったが、罰金を払うことにした。その後、裁判所から罰金額の通知があったが、警察官の言った額より少ない。安全確保のための処置ということと、免許がゴールドだったのが考慮されたのか?

 1日講習も無事終わった。今後1年間は無事故、無違反で過ごさなければならない。免許証を裏返すと、右下に1日講習終了の日付がスタンプされていた。

 警察官は「また、ゴールド目指そうね」と言って免許証を返してくれた。

 さて、それから半年、再びオービスに捕捉された場所を通ることになった。現場の高山トンネル(長さ1320メートル)を、9月、帰省時に通った。

 取り締まりの標識も出ているし、2キロ先にはオービスが設置されていた。私は制限速度の80キロで走ったが、後続車が100キロぐらいで追い越していった。

 そういえば、トンネル内の速度が規制された理由を警察官は、「トンネル内でパンクのために停車していた車に後続車が追突し、死者が出る多重事故が発生したため」と説明していた。

 警察官が言っていたその事故の概要を、たまたま最近の新聞記事で知った。今年9月28日、朝日新聞の記事だ。

 「04年8月、午前6時ごろ、タイヤ交換のため停車した乗用車3台に大型トラックが追突し、5人が死亡した。大型トラックの運転手は急性咽頭(いんとう)炎と長距離運転などで疲労し、眠気を催し、トンネル内に入ったことさえ気づかない状態だったという。遺族が運転手と運送会社を相手取り2億2000万円の損害賠償を 求めた裁判で、岡山地裁は1億6000万円の支払いを命じた」

 トンネル内には、長さが短いためか、非常駐車帯は設置されていなかった。こういう場合、どうすれば良かったのだろうか。パンクしている状態でも、ハザードランプを点灯し、何とか移動し、トンネルを出て路肩や駐車帯で止まるしかないのか。

 私は車に乗る前、サービスエリアやパーキングエリアに止まった時は、必ず足でタイヤを蹴(け)って異常がないかを確認しているし、今の車には「空気圧」センサーが付いているので異常を察知できるが……。

 もう2度と速度違反をしないために衛星利用測位システム(GPS)ソーラーレーダーを車に取り付けた。すると、今度はGPSレーダーで表示される速度と、車載速度計の速度、オービスが計測する速度、3つの速度のうち、どれが本当の速度なのかという問題が出てきた。

 自動車メーカーに話を聞いてみた。実際の速度と車載速度計の誤差については、「最大で表示速度の10%プラス4km」、車載速度の方が大きめに出ると言う。例えば50キロと表示された場合は、実際のスピードは、 時速41〜49キロ程度ということだ。

 一方、GPSレーダーと車載速度計の比較では、車載速度計の方が、低速時には約5km、高速時には8kmほど高めに出た。オービスと車載速度計、オービスとGPSレーダーの速度誤差は分からない。速度違反の係争中の事案では、この確認速度の信頼性が大きな争点となっているようだ。

 検察側は、明確な根拠は出さず、「適正な維持管理をやっている」と言うだけで、とても納得のいく状態ではないらしい。

 警察官に、「オービスに捕捉された時に速度を確認したか」と問われ、私は「○○kmぐらい」と答えたのだが、警察官には「いやいや、そんなには出ていません」と言われた。

 今考えると、車載速度計の表示スピードの方が、10キロほど高かったことになる。どうも、GPSレーダーの表示計の方がオービスの測るスピードに近いようだ。

 GPSソーラーレーダーは、警察署に近づくと、液晶画面がオレンジ色に変わり、「ポリスエリア」という文字が表示され、激しいメロディーが鳴る。

 「じいちゃん、この曲なんて曲? 聞いたことないな」と孫が言う。

 「じいちゃんだって聞いたことないよ」と言うと、同乗者全員、大笑い。

 とりあえず、ここ1年、無事故、無違反を目指さなければならない。

(記者:矢本 真人)

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