根拠のない豊胸効果をうたって化粧品や健康食品を販売したとして、経済産業省は6日、通信販売会社「オーグ」(東京都渋谷区)に対し、特定商取引法(虚偽・誇大広告)に基づき、通信販売に関する広告や契約締結業務を3か月間停止するよう命じた。
同社は10年間にわたって20〜30歳代の女性を中心に豊胸効果をうたったジェルや錠剤などを販売、昨年は3億1000万円を売り上げていた。
同省消費経済対策課によると、虚偽・誇大広告とされたのは、同社が昨年11月〜今年9月、インターネット上に掲載した化粧品「ナパイアブレスト」の広告。同社の前原和夫社長が有名タレントとの対談で、「植物成分がバストに働きかけてくれます」などと話し、この化粧品でバストアップに成功したとする女性10人の体験談を載せていた。
オーグ社は、同課に対し「タイの研究者が豊胸効果を示し、海外の著名な学術誌にも発表された」などと説明したが、実際には効果は実証されておらず、学術誌掲載の事実もなかった。
同社では「商品には自信を持っているが、指摘は真摯(しんし)に受け止め、購入者には広告に不適切な表現があったことを説明したい」としている。