民主党の小沢一郎代表は4日午後、党本部で緊急記者会見し、辞任の意向を表明した。党関係者によると、小沢氏は会見に先立ち辞任理由について「党内混乱の責任を取る」と伝えた。民主党は幹部が後継選出などをめぐり協議しているが、今後の政権戦略や国会対応に大きな影響を与えるのは確実だ。
小沢氏をめぐっては、福田康夫首相との2日の会談後に連立政権協議の提案を持ち帰ったことで党内や野党各党から批判が上がっていた。「大連立」を小沢氏側から持ち掛けたとの見方も浮上、党内での求心力低下が指摘されていた。
2日の会談で小沢氏は、国連決議に基づく形での自衛隊海外派遣を随時可能にする「恒久法」の必要性を強調。具体化に向けた動きが始まれば、新テロ対策特別措置法案審議などに協力する考えを示した。
これに対し、首相は連立協議を提案するとともに、連立を前提として恒久法制定に取り組む考えを表明。小沢氏は提案を党に持ち帰り役員会に諮ったが、反対意見が相次いだ。このため国民の理解を得られないとして提案を拒否する決定を首相に伝えていた。
小沢氏は「送金指示メール」問題で辞任した前原誠司氏の後任として昨年4月に代表に就任。今年7月の参院選で、与野党を逆転させ、民主党を参院第一党に躍進させる大勝に導いた。
小沢氏は4日、党幹部に辞意を伝達。幹部は慰留に努めたが、受け入れなかったという。
(共同)