2007年11月03日(土) 08時50分
あなたなら、どうしてた?〜落合監督の采配に思う(ツカサネット新聞)
2007年日本一に輝いたのは、セ・リーグ2位の中日ドラゴンズ。何せセ・リーグを制覇したのが巨人だっただけに、クライマックスシリーズの是非を問う声が激しくなるのでは、と考えていたら、別の問題が起こってしまった。
これを「問題」と捉えるのもまたおかしいのかもしれないが。
中日が日本一を決めた試合。そこでは前人未踏の日本シリーズでの完全試合がかかっていた。9回には中日ファンのみならず、この試合を見ていた多くのプロ野球ファンが期待して、一人の投手の登場を待ったことであろう。山井大介投手である。
しかし、現れたのは守護神 岩瀬投手。若干緊張した表情には、日本一を前にして、だけではないことは誰もが見てとれた。これで失点でもしようものなら…。
しかし結果、期待に応え岩瀬投手は日本ハムファイターズの攻撃を3人でピシャリと抑え、チームも日本一の歓喜に酔いしれた。
一息ついて起こったのが、この山井投手を交代させた落合監督の采配。英断であった、と賞する声もあれば、非情だ!と非難の声も。さて、私はと言うと…。正直、山井投手の大記録の瞬間を見てみたかった。が、ここで非情にも投手を交代させた落合監督の采配にも、野球の醍醐味を感じた。
野球には大打者のホームラン、大投手の三振ショー、なども確かに野球の面白みである。しかしそれとは逆に、記録にはつかないところでの野球の面白さがある。当たり前に捕球したかに見えるプレーは実はその打者のデータをふまえての守備シフトであったり、絶妙なタイミングでピンチになりそうな時にピッチャーに駆け寄るキャッチャーであったり。
その微妙な、ちょっとしたことで、試合の流れががらっと変わる。
中日は確かに王手をかけて有利な状況だった。万が一、最後に山井投手がホームランでも打たれ最後には逆転されても、まだ1勝分は有利ではあった。
しかし、この完璧にまで進んできた試合を落とすことで、あっと言う間に流れが変わることもあろう。落合監督には何が何でも今日決めたいとの思いから、アレコレ言われるであろうと覚悟しての交代であったと思う。
後に、山井投手の手にマメが出来たこと、本人が代わりますと申し出た事などの告白もあり、納得された方も多いだろう。
様々な名監督が、「私なら代えない」とテレビでコメントしたり、友人との飲み会の席で「俺なら代えるよ〜」「いや代えない!」とアレコレ論議するのもまた良いと思う。
ただ、昨年は日本ハムや新庄選手の大活躍しか記憶に残らないような敗戦を乗り越え、2位通過でも必死でたどり着いた日本シリーズ。「非情だ」「夢がない」と批判するのは簡単だが、優勝インタビューで真っ先に山井投手を褒め称えた落合監督の配慮に気付かれていただろうか? せめてどの意見の人にも「おめでとう」と拍手を送ってもらいたいと思うのは難しいことなのだろうか。
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(記者:さっちん)
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