2007年10月26日(金) 11時23分
「僕はパパを殺すことに決めた」問題本がアマゾンで何と25,800円(J-CASTニュース)
奈良県で放火事件を起こした少年の供述調書や捜査資料を引用したことが問題視された書籍「僕はパパを殺すことに決めた」の波紋が思わぬところで広がっている。版元の講談社が重版をやめたことから品薄感が広がり、中古本の価格が急騰しているのだ。
2007年5月に発売された「僕はパパを殺すことに決めた」(講談社)は、06年6月に少年が自宅に放火、3人を死亡させた事件をめぐって、ジャーナリストの草薙厚子さんが背景を詳細に追ったものだ。少年の父親や少年本人への供述調書とみられる文章を50箇所以上にわたって引用、生々しい内容が話題になった。07年6月には、奈良家庭裁判所が講談社と草薙さんに対して、「少年審判の信頼を著しく損なう」として抗議文を送付したほか、法務省も7月12日、両者に謝罪と被害拡大を防止するよう勧告。10月14日には、少年の精神鑑定を担当した医師が刑法の秘密漏示容疑で逮捕されるという事態に発展した。
講談社が「週刊現代」11月3日号に掲載した、事件について同社の見解を説明する文章によると、
「弊社としては事態の推移に鑑みて重版を控え、出荷を見合わせております」
としており、入手が難しい状態になっている。実際、町中の書店でも手にするのは困難だし、大手のオンライン書店を見ても「在庫なし」「この商品は現在、ご注文をお受けできません」などと表示される、という状態だ。
■ヤフオクでは1,500円から1万円で出品
そんななか、この本がアマゾンの中古本販売コーナーやヤフーオークションで値上がりするという動きを見せているのだ。
例えば、2007年10月25日現在、ヤフーオークションでは14点が出品され、安いものであれば、定価と同じ1,500円程度だが、高い物では1万円で出品されているものもある。それぞれ、「入手困難」「新品初版」といったうたい文句が並んでいる。
さらに価格の幅が大きいのが、オンライン書店「アマゾン」に設けられた、利用者どうしで品物をやり取りするコーナー「マーケットプレイス」だ。現段階で8点の出品があり、もっとも安いものでも6,500円で。ほとんどが1万円以上だ。最も高い値段がついているのは、「初版、帯付きの新品未読本です」とうたってあり、何と25,800円だ。
なお、すでに入手が困難になっている10月になってからも、アマゾンのレビュー(書評)欄には書き込みが続いており、
「ほぼ供述調書の引用ばかり」
「供述調書からの引用は圧倒的な迫力がある」
などと、賛否両論だ。
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