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2007年10月26日(金) 10時50分

<犯罪被害者白書>母子殺害事件遺族、本村洋さんの手記掲載毎日新聞

 政府は26日の閣議で「07年版犯罪被害者白書」を決定した。同白書の刊行は2回目。今回は、99年に起きた山口県光市の母子殺害事件の遺族、本村洋さんの手記を5ページにわたって掲載。本村さんは、最愛の妻と娘を失った悲しみや8年間の裁判傍聴を通じた思いなどを訴えた。

 手記によると、本村さんは99年4月14日夜、自宅で妻の変わり果てた姿に対面した際「体を揺さぶり名前を叫びました。視線をそらすこともできませんでした」。裁判開始前、性的暴行の事実を妻の母親に告げると「娘は2度殺されました」と泣き崩れた。本村さんは「真実を知ることが幸せなのか、不幸なのか分からなくなった瞬間でした。それでも被害者は、真実を知りたいのだと思います」とつづった。

 その後、犯罪被害者等基本法の制定や刑事裁判への被害者参加を認める法改正が実現。本村さんは、被害回復には「心の傷を吐露できる場と、気持ちを受け止めてあげる人が必要。福祉や医療、法律などの専門的な知識に基づく支援は不可欠」と訴えている。

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