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2007年10月26日(金) 02時36分

野村、サブプライム問題で赤字465億円朝日新聞

 野村ホールディングスが25日に発表した07年7〜9月期の連結決算(米国会計基準)は米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンなどの損失が膨らみ、税引き前損益が465億円の赤字になった。当期では105億円の赤字。9月中間決算は4〜6月期の好調に支えられて当期増益を確保しているが、米事業での痛手は野村が力を入れる海外事業全体の足を引っ張りかねず、対応が迫られそうだ。

 四半期決算の赤字は03年1〜3月期以来。米国で住宅ローン債権を金融機関から買い取って証券化し、機関投資家に売って手数料収入を得ていた住宅ローン担保証券(RMBS)事業の損失が1〜9月で計約1450億円に膨れ、7〜9月期で約730億円を最終処理したことが響いた。

 一方、9月中間決算の当期利益は前年同期比4.0%増の662億円。4〜6月期を中心に投資信託などの販売が好調だった国内営業や資産運用部門は、税引き前利益が前年同期より増えた。仲田正史・財務統括責任者は「国内の個人向け業務の基盤は揺らいでいない」と話す。

 ただ、野村は1925年の会社設立から2年後にニューヨークに出張所を開くなど、世界の株式市場の中心である米国事業に力を入れており、影響は軽視できない。米国では、98年にも商業用不動産ローンの証券化事業で巨額損失を計上。02年からはRMBS事業に参入し、05年からサブプライムローンの証券化も始めたが、06年度の取引規模は18位だった。

 苦戦が続く背景について、古賀信行社長は「顧客基盤が脆弱(ぜいじゃく)な中で運営するのはある種の限界があった」と認める。今回の見直しではRMBSのほか、シカゴ支店の先物取引業務も撤退し、債券の自己売買部門は縮小する。人員は約3割を削減し、年度内に約900人まで減らす。

 一方、アジアでは人員は増やし、7〜9月期決算でのアジア地域の税引き前損益は、24億円の黒字になった。しかし、「アジアの主要企業はM&A(企業の合併・買収)も含めて米国でのビジネスに関心を示す例が多く、米国の基盤がアジアの取引に影響する」(外資系金融機関幹部)とも言われる。米国事業の縮小傾向が続けば「海外事業の収益拡大は難しい」(同)との指摘もある。

http://www.asahi.com/business/update/1026/TKY200710250445.html