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2007年10月25日(木) 00時00分

前・現市長に「起訴相当」議決 芦原病院めぐる背任容疑朝日新聞

 大阪市が同和対策の医療拠点だった旧芦原病院(浪速区)に多額の融資や補助金を投入した問題で、大阪第二検察審査会は、関淳一市長と磯村隆文前市長がずさんな審査で市に損害を与えたとした背任容疑の告発に対する大阪地検の不起訴処分(嫌疑不十分)を不当とし、「起訴相当」と議決した。23日付。「市民の血税を守ることなく、市長としての任務に背いた責任は重大」と指摘している。地検は議決を受けて再捜査する。首長をめぐる告発で起訴相当の判断が出るのは異例。

 同検察審は議決書で、「関市長らの供述が得られておらず、事実関係が正確に把握できていない」と捜査を批判。そのうえで、関市長らが、病院の経営能力や財務体質についての審査や、担保となる債権を保全する措置を一切行っていなかったと指摘。病院への助成は「必要性や緊急性、公益性も何ら見いだせず、市民として理解できない」と非難し、「刑事責任は誠に重い」とした。

 審査を申し立てていたのは、告発者であり、11月の市長選に出馬表明した姫野浄・元市議ら2人。告発状によると、市は、関市長らが在任中の01年5月〜05年3月に計約9億5900万円を貸し付け、03年4月〜04年9月には計約1億3200万円の補助金を支出。その後、同病院は経営難に陥り、市の融資は全額回収不能になった。

 姫野氏らは昨年5月に大阪府警に告発し、書類送検を受けた地検が同12月に不起訴とした。大阪市によると、1968年〜05年の市の投入総額は約320億円となる。

 また同検察審はこの日までに、当時の市幹部2人の不起訴処分も「不当」と議決した。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200710240076.html