2007年10月25日(木) 14時49分
経営不安のNOVA、4役員辞任(産経新聞)
資金繰りの悪化で経営が不安視されている英会話学校大手のNOVA(大阪市、猿橋望社長)は25日、取締役1人と監査役3人の計4人が、この日までに同社に辞任届を提出したと発表した。同社は海外ファンドへの新株予約権発行で運営資金を調達したばかり。同社は26日、緊急役員会を開催し、今後の対応を協議するが、主要な役員の辞意表明で、さらに厳しい局面を迎えそうだ。
辞任届は、常勤監査役1人、非常勤監査役2人に加え、経営陣で最古参のアンデルス・ルンドクヴィスト取締役からも提出されている。これで、社長を除く6人の役員のうち、4人が辞意を表明したことになる。
同社では、相次ぐ給与遅配などにより、経理などの管理部門でも社員が流出しており、監査業務に支障が生じていることが背景にあるとみられる。
取締役のルンドクヴィスト氏は、猿橋社長とともに同社を創立したメンバーの1人。大阪・心斎橋で開いた同社初の英会話スクールの講師も務めた。現在は外国人講師のマネジメント部門のトップで、講師らからの信望が厚かったという。
経済産業省から処分を受けた後、社内外への説明責任を十分果たさず、一方で、海外ファンドからの資金調達などを進めた猿橋社長の姿勢に、ルンドクヴィスト氏は反発を強めたとみられる。
同社は24日、外国のファンド2社に新株予約権を発行、7000万円の資金を調達した。しかし、ファンドに対して新株を発行、資金調達をさらに進めるには株価が35円以上との条件があり、今回の役員の辞意表明は市場に影を落としかねない。また、監査役が全員辞任の方向ということで、11月に予定される中間決算発表への影響も懸念される。
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