法務省は25日、水戸少年刑務所(茨城県ひたちなか市)の受刑者約120人分の氏名などの個人情報をインターネット上に流出させてしまったと発表した。職員約900人の情報も含まれていた。40代の男性刑務官が、ファイル交換ソフトが入った個人所有のパソコンにデータを保存したところ、そのパソコンがウイルスに感染したのが原因。9月下旬ごろまでに流出したという。
06年2月には京都刑務所の刑務官が自宅のパソコンから受刑者ら約1万人分の情報を流出させている。同省はその直後に、再発防止策として、個人情報の持ち出しや私物のパソコンでの職務上の情報処理を禁じることなどを徹底する通知を出していた。
法務省によると、今回流出したのは99年から今年4月にかけて水戸少年刑務所などが作成した行政文書。刑務官会議の会議録や受刑者の運転免許証更新の委任状などで、これらの文書の中に、この期間に収容されていた受刑者のうち約120人の氏名があった。一部の受刑者については、生年月日や罪名なども含まれていたという。
少年刑務所は本来、26歳未満の受刑者を収容する。水戸少年刑務所は運用上、26歳以上の受刑者を受け入れ続けているために受刑者の平均年齢は35歳。同省は「受刑者に少年はおらず、逮捕時に未成年だった受刑者の情報流出も現時点では確認していない」としている。
流出元となった刑務官は、故障した上司の公用パソコンのデータ復元を依頼されたことから、自宅で復元するためにデータを持ち帰って個人所有のパソコンに保存した。上司にはデータを持ち帰ったことを報告していなかったという。
同省は、流出の対象となった人に対する謝罪を始めるとともに、刑務官や上司の処分を検討する。
http://www.asahi.com/national/update/1025/TKY200710250230.html