長野県小諸市の宗教法人「紀元会」の施設内で、すし店経営奥野元子さん(当時63歳)が暴行を受け、その後死亡した集団リンチ事件で、暴行時に「信じているなら、もっと本気でやらないと」と扇動する声があったことが22日、分かった。
長野県警の捜査本部は、信仰心を疑われないために暴行がエスカレートした可能性があるとみて調べている。事件は22日で強制捜査から1週間を迎えた。
調べなどによると、集団暴行は9月24日午後11時半ごろから断続的に約1時間、施設内にある「大和紀元会館」の会議室で繰り返された。元子さんの二女が創設者の孫(15)に指摘した言動などが批判されて集団暴行に発展。紀元会を創設した男性の娘の窪田康子(49)、長野地区役員の大川貴美子(52)の両容疑者ら80歳から15歳までの計21人が10月15日、傷害致死容疑で逮捕された。
殴るけるの暴行が行われている最中、現場に居合わせた会員の1人は「信じているなら、もっと本気でやらないと」という声が上がったと供述しており、それから激しく踏みつけるなど暴行がエスカレートしたとみられる。また、別の会員は「やらなければ、自分がやられると思った」などと供述し、暴力への恐怖から暴行に加担していった可能性も出ている。