2007年10月21日(日) 20時37分
大阪・熊取談合 建設組合20年前から談合(産経新聞)
大阪府熊取町発注の町営住宅建て替え工事をめぐる談合事件の舞台になった「熊取建設業協同組合」が、約20年前から公共工事などで談合を繰り返していたことが21日、分かった。主要な組合加盟業者が落札した町発注工事の昨年度の平均落札率が96・2%と極めて高かったことも判明。府警捜査2課は、組合側が恒常的に入札情報を入手していたとみて、談合の実態解明を進めている。
府警はこの日、同容疑で、組合理事長の北川一彦容疑者(71)ら4人を送検した。
調べや関係者によると、組合は昭和60年に設立。当初の目的は暴力団排除などだったが、数年後に談合組織に変わっていったという。
最近の落札業者の決定方法は、年度初めに行われる現地説明会の後、喫茶店や組合事務所2階の会議室に業者が集合。落札する順番を記した「星取表」が配られ、1番から順に落札。年度内に一巡した場合は、工事額が低かった業者から優先的に次の工事を落札するシステムだった。
産経新聞が入手した平成15年、5000万円未満の土木工事の星取表には、1番に北川容疑者の二男が社長の今勝建設、2番に組合専務理事、西尾明治容疑者(51)の親族が経営する西尾組が入っていた。
また、関係者は「予定価格は町職員から聞いていた」と証言。電卓を渡して数字を入力させるほか、示した数字の上か下かを答えさせる「ボーリング」という手口を使っていたが、「ここ数年は締め付けが厳しく、職員から漏れなくなった」という。
ただ、主要な組合加盟業者に落札した工事36件の落札率を調べると、北小学校改造工事(98・7%)、北中学校屋内運動場改造工事(97・5%)など平均で96・2%に及ぶ。非加盟業者の落札率平均86・4%を大きく上回っており、関係者は「予定価格を入手しているのは間違いない」と指摘している。
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