市保護課によると、683件のうち、働いて得た収入を全く申告しなかったケースが378件と5割を超えた。次いで、働いて得た収入を実際より少なく申告したのが91件、年金収入の無申告が69件だった。
発覚の端緒は、課税台帳の調査が650件と95%を占め、関係者からの通報は8件だった。
不正受給の1件あたりの平均額は58万3276円。最も高額だったのは70歳代の女性で、遺族年金を申告せず、5年間で計580万円の保護費を不正に受け取っていた。
生活保護費の不正受給は2001年度は281件、1億7537万円だったが、その後は件数、金額ともほぼ一貫して増え続けている。市は、受給世帯への訪問調査を行ったり、年に1回、課税台帳を調べたりするなどして、年々、監視を強めており、増加の背景には監視強化などもあるとみられる。
生活保護費は、国が定める最低生活費から、世帯収入を差し引いた額が支給される。標準世帯(父33歳、母29歳、子4歳)で無収入の場合、毎月16万2170円となる。市は06年度、約3万6000世帯に、総額906億7000万円を支給した。