秋田県は20日、同県大館市の食肉加工製造会社「比内鶏」(藤原誠一社長)が、地元の「比内地鶏」と偽り、別の鶏肉や卵を薫製にした商品を出荷していたと発表した。同社はすでに製造を中止し、商品回収を始めた。
県が同日行った聞き取り調査に対し、藤原社長は「約10年前には既に別の肉を使っていた」と偽装を認めた。商品の不当表示は景品表示法や日本農林規格(JAS)法違反の疑いがあるため、県は今後、同社の鶏肉の仕入れ先など全容解明を進める方針。
県によると、同社は薫製商品に「比内地鶏くんせい」と表示していたが、国産の数種の鶏肉だけで、比内地鶏は全く使っていなかった。同社は生肉などは比内地鶏を使っていたと説明しているという。同社の年商は3億数千万円。
15日に「(同社は)比内地鶏と偽って別の肉を使っている」との匿名の電話を受けた大館保健所が16日、食品衛生法に基づいて立ち入り調査し、偽装の疑いが浮上した。