秋田県は20日、同県大館市の食肉加工・製造会社「比内鶏」(藤原誠一社長、従業員16人)が地元特産の「比内地鶏」を使ったとして製造、販売した薫製の肉と卵について、比内地鶏を使っていなかった疑いがあり、景品表示法や食品衛生法などに基づく立ち入り調査を行ったと発表した。
県の聴取に対し、藤原社長は「薫製の肉と卵には比内地鶏を全く使っていなかった」などとし、10年以上前から偽装していたことを認めているという。県は今後、販売経路や出荷量などを調べる。
県によると、今月15日夕、県大館保健所に匿名で情報が寄せられ、16日、同保健所が食品衛生法に基づく立ち入り調査を実施。20日、県が同社を訪れ、藤原社長ら4人から聞き取り調査を行った。
同社関係者は、保健所の調べに、「周辺の農家や会社から仕入れた鶏を使っていた」と話しており、県は鶏の入手経路なども調べる。
民間の信用調査会社によると、同社は各地に出荷しており、今年3月期の売上高は約4億円。同社は、17日に商品の製造を中止し、回収を行っている。
比内地鶏は、名古屋コーチン(愛知県)、薩摩地鶏(鹿児島県)と並び日本三大地鶏の一つとして知られている。