名古屋競馬の女性騎手山本茜(24)が、所属していた厩舎の男性調教師(48)からセクハラを受け所属厩舎の変更を余儀なくされたとして、調教師に約550万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴していたことが20日、分かった。
競馬関係者によると、現役の女性騎手が調教師を相手に訴訟を起こすのは異例という。
訴えによると、山本は2003年6月に調教師に弟子入りし、調教師の厩舎で競走馬の世話など騎手の見習いを始めた。調教師は山本にたびたび抱き付くなどしたほか、今年1月には厩舎にある自分の住居に山本を呼び出し、「おれはおまえに全部を見せることができる」「おまえも包み隠さずに見せてみろ」などと裸になり、山本にも服を脱ぐよう求めたという。
こうした要求を拒み続けてきた山本は同5月、厩舎を辞めさせられ、別の厩舎に移ったという。
調教師は「性的な意味はなかった。訴訟の中で事実関係などを明らかにしたい」としている。
山本は05年10月に地方競馬の騎手となり、今年3月、女性騎手としてデビューから最短日数で通算100勝を達成した。