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2007年10月19日(金) 23時42分

NOVAまた給与遅配 大阪労基署に「今日は無理」産経新聞

 経済産業省から一部業務の停止命令を受けている英会話学校大手、NOVA(大阪市)の日本人社員や外国人講師の給与支払いが遅れている問題で、同社が支払うとしていた期限の19日になっても、給与振り込みがないことが分かった。この日は同社が上場するジャスダック証券取引所に、再提出を求められていた改善報告書も提出。情報開示の重要性について「社長の理解が不足していた」などと、自社内部の体制の甘さを前回より厳しく認めた。

 講師らを支援する労働組合、ゼネラルユニオンによると、19日、NOVAから大阪中央労働基準監督署に「今日は履行できない」との説明があったという。社員の給与は7月から毎月遅配。講師の給与も9月、10月と遅れ、いずれも19日に支払うと通知していた。NOVAは「支払ったかどうかは答えられない」としている。

 一方、ジャスダックに再提出された報告書は、前回の報告書にあった「担当者が入院していたため開示が遅くなった」などといった理由を削除。「複数の社員に確認をあおぐ必要があり、時間を要した」と自社の体制の不備を認めた。

 大量保有報告書で株式異動が明らかになったケースや、猿橋社長が所有する800万株がコンサルティング会社の手を経て行方がわからなくなった事案についても、より詳しく説明。「社長と連絡が付かず、開示ができなかった」「適時開示の重要性について、社長の正確な理解が不足していた」など、猿橋社長の行動の不手際を指摘した。

 改善策として、社長の適時開示への意識改革▽情報開示担当役員の権限強化▽情報集約体制の確立−の3点を列挙。11月初旬に専任の担当役員を決定後、情報共有のため週1回の会合をもつことを表明した。

 同社は9月21日、それまでに深夜の情報開示が相次いだり、重要な会社情報が不適切・不十分であったことなどから、上場するジャスダック市場から理由説明や具体的な改善措置などの報告を求められていた。NOVA側は期限だった今月の5日に報告書を提出したが、「具体的内容が不十分」などとジャスダックが再度、の報告書提出を要求。19日が提出期限日だった。

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