餅菓子の老舗（しにせ）「赤福」が店頭に並べた売れ残り商品を再利用していた問題で、農林水産省と三重県などは１９日午前、赤福本社・工場（三重県伊勢市）、名古屋工場（名古屋市）、大阪工場（大阪市）の３カ所に日本農林規格（ＪＡＳ）法違反などの疑いで立ち入り検査に入った。三重県は同日、冷解凍後の商品にうその消費期限を表示した行為が食品衛生法違反にあたるとして、同社本社工場を無期限の営業禁止処分にした。
赤福の大阪工場にＪＡＳ法違反などの疑いで立ち入り検査に入る農水省の職員ら＝１９日午前、大阪市淀川区で大阪市淀川区の大阪工場にも午前１０時、農水省職員らが到着。操業が止まり、シャッターが下りたままの工場に入った。
赤福は当初、同省や伊勢保健所の調べに、「売れ残りはすべて焼却処分している」などと、店頭に並べた商品の再利用を否定。だが、１８日夜、冷凍保管して製造日や消費期限を書き換える「まき直し」や、売れ残りの赤福餅を餅とあんに分けて、あんを関連会社「和菓子の万寿や」に販売したり、餅の一部を再利用したりしていたことを認めた。
同省などは１９日、「和菓子の万寿や」に対しても任意で立ち入り調査に入り、違法行為がなかったかどうか調査を進める。