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2007年10月19日(金) 15時03分

<赤福>立ち入り時、虚偽説明 「返品まき直しない」毎日新聞

 老舗和菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)の商品偽装問題で、三重県や農水省が9月に実施した立ち入り調査の際、同社が名古屋工場(名古屋市)について「冷凍工程自体がない」と虚偽の説明をしていたことが19日、分かった。同社は製品を冷解凍して再包装する「まき直し」を広く行っていたが、食品衛生法違反に問われる返品商品については否定。しかし名古屋工場では、店に出す前の商品と返品商品の区別なく日常的にまき直しを行っていたため、発覚を恐れ、まき直し自体を否定したとみられる。【田中功一、飯田和樹】

 県と農水省の立ち入り調査は9月中下旬に2回ずつ実施された。赤福は本社と大阪の両工場での「まき直し」は認めたものの、売れ残りや返品商品は「すべて焼却処分し、まき直しは絶対にしていない」と説明。名古屋工場については「冷凍庫はあるが、使用していない」としてまき直し自体を否定した。これを受け、同県は食品衛生法上は問題ないと判断していた。

 店頭に出す前の商品をまき直す行為については、農水省がJAS(日本農林規格)法違反に当たるとして改善指示を出す一方、三重県は「(店頭に出すまでは)企業の管理下にあるので食品衛生法違反とは言えない」としてきた。しかし、関係者によると、名古屋工場では店に出す前の商品と返品商品を分けずに、まき直しを続けていたという。

 同社は18日深夜の記者会見で、返品商品についても名古屋工場でまき直しを行っていたことを認めた。調査に当たった県薬務食品室は「赤福の説明すべてが信じられなくなった。あらゆる観点から徹底的に再調査したい」としている。

 ◇無期限営業禁止に…三重県

 三重県は19日朝、赤福の浜田典保社長を伊勢保健所に呼び、食品衛生法に基づく無期限の営業禁止処分を通告。同県と農林水産省、名古屋市などは本社、名古屋、大阪の各工場への立ち入り調査も始めた。返品された赤福餅のうち、あんの部分(むきあん)を赤福から購入していたグループ会社の「和菓子の万寿や」にも同日、調査に入った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071019-00000054-mai-soci