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2007年10月13日(土) 14時33分

ジャスダック舞台の株価操作、「大物仕手筋」が主導読売新聞

 ジャスダック上場の土木建設会社「南野建設」(現A・Cホールディングス)の株価操作事件で、「大物仕手筋」の投資アドバイザー・西田晴夫(はれお)容疑者(57)(証券取引法違反容疑で逮捕)が、共犯として逮捕された飲食店経営・榎本繁容疑者(60)の依頼を受け、株価つり上げを主導していたことがわかった。

 大阪地検特捜部は、2人が株の売却益を得るため、南野建設側に新株予約権の発行を持ちかけたとみて調べる。

 調べや関係者によると、南野建設は2002年11月下旬、権利の行使価格を1株当たり26円として新株予約権を発行すると公表。榎本容疑者の知人の元行政書士が代理人を務める英領バージン諸島の2社に割り当てた。榎本容疑者が南野建設に新株予約権発行を持ちかけたとされ、同時に西田容疑者に株価のつり上げを頼んだという。

 西田容疑者は、榎本容疑者の依頼を承諾。投資会社役員・谷口豊容疑者(51)(逮捕)らを引き込み、仕手グループを形成した。新株予約権発行の公表直後から仮装売買を繰り返し、株価は一時350円にまで高騰した。榎本容疑者らは、新株予約権の行使期間である03年1月〜05年9月までの間に、新株を高値で売り抜けたとみられる。

 谷口容疑者は株価操作の経験がなく、調べにも「西田容疑者の指示を受けた」と供述。特捜部は西田容疑者が株価操作の指南役だったとみている。

 西田容疑者は逮捕前の取材に対し、「利益を得たのは榎本容疑者だけ。私は4億円ぐらい損した」などと話していた。A・Cホールディングスは「株価操縦容疑に当社や当社グループの関与は一切ない」とのコメントを発表した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071013i105.htm?from=main1