千葉地裁松戸支部の納谷肇裁判官(53)が、民事訴訟で口頭弁論を公開する手続きを取らずに弁論を終結し判決を言い渡していたことが7日、分かった。控訴審の東京高裁は違法な手続きとして審理を差し戻した。千葉地裁は納谷裁判官の処分を検討している。
訴訟は地主が借地人に賃貸契約の更新料支払いを求め提訴。1月に請求棄却の判決が言い渡されたが、原告側が手続きの不備を申し立てて控訴、東京高裁が調査した。
1審の調書には、第2回口頭弁論が昨年12月21日、法廷で行われ、弁論を終結したと記録されていた。しかし、納谷裁判官と双方の代理人は「弁論準備和解室」と表示された部屋で、弁論準備手続きをした後そのまま口頭弁論を開き結審していたことが判明。
この部屋は公開法廷であることの表示や傍聴席がなく、書記官の立ち会いもなかった。調書は納谷裁判官の指示で書記官が後から作成していた。