親に虐待を受けるなど、さまざま事情から家庭で生活できない子どもを育てる児童養護施設。そこで暮らす子どもたちが描いた絵画などの展示会が12日から14日まで東京・日本橋の三愛画廊で開かれる。
施設生活を経験した若者らでつくるグループ「日向ぼっこ」(東京・新宿)が主催。広瀬さゆり代表(24)は「社会であまり知られていない児童養護施設の実態について、理解を深めるきっかけにしてもらえれば」と話している。
児童養護施設は全国に500以上あり、約3万人が暮らす。小学4年から高校卒業まで過ごした広瀬さんは「子どもたちは劣等感や生きづらさを抱え、退所後も家庭に戻れず孤立しがち」と言う。
グループは広瀬さんや施設経験のある友人らが、よりどころになる場をつくろうと昨年3月に発足。施設の見学や制度に関する勉強会などの活動を続ける中で「社会に向けて発信する機会もつくろう」と今回の展示会を企画した。