銀行口座を他人に譲り渡す目的で開設したとして、横浜市水道局職員の男(28)が詐欺の疑いで逮捕、起訴されていたことが4日、分かった。銀行口座は、融資保証金名目の詐欺事件に使われていた。山手署は、職員から通帳などを受け取っていた、建設作業員の男(28)の逮捕状を取って行方を追っている。
逮捕、起訴されたのは、同市中区大平町、市水道局職員喜多見信宏被告(28)(懲戒免職)。
調べによると、喜多見被告は2005年8月11日、横浜市中区の銀行支店で、譲り渡す目的を隠し、自分名義の普通預金口座を2口座開設し、銀行から通帳とキャッシュカードをだまし取った。
喜多見被告は、中学時代の同級生で、建設作業員の男に40万円を借金しており、返済を待ってもらう代わりに、通帳とキャッシュカードを渡していた。
山手署が、融資を持ちかけて保証金を振り込ませてだまし取る事件の捜査で、入金先だった口座が喜多見被告のものだったことから、8月に逮捕していた。
口座には、19人が計155万円を入金していた。中には、東京都内の男性(52)が5回に分けて約20万円を振り込み、だまし取られていた。
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市水道局は4日、喜多見被告を懲戒免職としていたことを明らかにした。
水道局は9月13日、接見した喜多見被告が容疑を認めたため、翌14日付で懲戒免職の処分をしていた。
大谷幸二郎・水道局長は「脅迫事件に続き、信頼を裏切る事態となり大変申し訳ない」と陳謝した。