特定の除草剤に耐性を持たせた米化学品大手モンサント社などの遺伝子組み換え菜種が、千葉や大阪、福岡など全国11府県で自生していることが、各地の生協などが今年実施した2件の調査で5日までに分かった。
港での陸揚げ時や輸送途中で種子がこぼれ落ちて育ったとみられる。熊本県と鹿児島県では今回初めて見つかり、拡散が進んでいる実態がうかがえる。三重県内では国道付近の畑のあぜや水田でも確認され、耕作地に侵入しつつある現状も明らかになった。
遺伝子組み換え菜種は、在来品種と交雑する「遺伝子汚染」の危険性や、近縁の白菜やカブ、高菜などと交雑する恐れが指摘されている。
調査は、各地の生協などと「農民連食品分析センター」(東京都)がそれぞれ、輸入菜種の陸揚げ港周辺や港からの国道沿いなどで実施した。
調査結果を総合すると、見つかったのはいずれも除草剤耐性の組み換え菜種で、モンサント社の品種が10県で、バイエルクロップサイエンス社(ドイツ)のものが10府県で見つかった。