ミャンマーで反政府デモ制圧を取材中、映像ジャーナリスト長井健司さん(50)が射殺された事件で、警視庁中野署捜査本部は4日午後、杏林大で遺体を司法解剖。長井さんは背後から撃たれていたことが分かった。
死因は、左腰背部から右腹部にかけて、銃弾1発が貫通し肝臓が損傷、大量の血が流れた失血死と判明。射入口は直径約1センチ、出口は約1、2センチだった。銃の種類の特定には至っていない。
長井さんが契約していたAPF通信社(東京都港区)の山路徹社長(46)は、現地から持ち帰った長井さんの着衣を捜査本部に任意提出。長井さんは至近距離から撃たれた疑いがあり、捜査本部は今後、着衣の硝煙反応や火薬粒子の付着状況などを鑑定し、銃撃された距離や位置などの確認を進める。
山路さんによると、杏林大の霊安室で遺体と対面した長井さんの両親らは、悲しみにうちひしがれた様子だった。母親は「健坊、健坊」と長井さんの名前を何度も呼び続けたという。