2007年10月05日(金) 08時02分
元警視庁OBが法廷で大舌戦(スポーツ報知)
元警視庁OBのジャーナリスト同士が、民事法廷で“舌戦”を繰り広げた。元巡査部長の黒木昭雄氏(49)が、元刑事の北芝健氏(本名、年齢非公表)を名誉棄損で提訴した訴訟の口頭弁論が4日、東京地裁で開かれ、本人同士が初対決した。雑誌やテレビのワイドショーでの双方の発言についての検証が行われ、激怒あり、爆笑ありの“刑事”裁判となった。
テレビなどでおなじみの、事件コメンテーターが、ついに法廷で顔を合わせた。「週刊現代」(講談社)と「実録マッドマックス」(コアマガジン)が舞台だった“中傷”合戦は、双方がそれぞれ被告、原告になる泥仕合に発展。初の直接対決は、黒木氏が原告、北芝氏が被告という図式で実現した。
目を合わせないまま入廷した両者。そろって証言台に立ち「良心に従って真実を述べ…」と声を合わせて宣誓。皮肉にも決戦のゴングは“初の共同作業”で鳴らされた。その後、どちらが先に本人証拠調べの尋問を受けるかでもめたが、黒木氏が折れる形で先に証言台に立った。
黒木氏は、証拠品となっている北芝氏の著書「警察裏物語」について「帯には『すべて本当の話です』と書かれているが、本文を読むと、あり得ない」と言い、72話あるうち「常識的にあり得ないと明確に言えるだけで10項目ぐらいある」と徹底批判。
北芝氏は、黒木氏が私服刑事の経験がなかったことを指摘し「ご自身が見聞していないものを、あり得ないというのは見識が狭い」と反論。黒木氏のことを批判した雑誌「実録マッドマックス」で、人名などの誤記があったことについて指摘されると「この雑誌は非常に自由で過激な雑誌で、勢いで書く雑誌なんです」と自虐的に開き直り、廷内から笑いがもれた。
双方のバッシングはまだまだ続いた。北芝氏が、昨年「週刊朝日」の取材を受けるため編集部に行くと、黒木氏が取材に同席し「2時間近く監禁状態で、刑事の取り調べよろしく詰問された」と激怒。すると黒木氏は、秋田の児童殺害事件において、北芝氏がテレビ番組で(容疑者と被害者の)両家に「トラブルがあった」とコメントしたことについて、被害児童の父親が「取材を受けたこともない人に」と激怒していることを明らかに。元警察官による暴露合戦になった。
北芝氏サイドは「北芝さんがバッシングの後、降板した番組で、(黒木氏が)その後釜に座ったのでは」と指摘。バッシング後、収入が20分の1になり、体調不良になったことも訴えた。黒木氏は、北芝氏の証言中に、何度も笑いをこらえる姿を見せた。
黒木氏は、名誉棄損での刑事告訴が保留されていることを明かし「警視庁としても受け取りたくない気持ちはよくわかります」と笑った。OB同士の“泥仕合”は、両者譲る気配なく、原告、被告の立場を変えて来年以降も続く見込みだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071005-00000088-sph-soci