コーヒーを1日に3杯以上飲む男性は、ほとんど飲まない男性に比べ、膵臓がんになる危険度が低いとの疫学調査結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)がまとめ、横浜市で開催中の日本癌学会で5日発表した。
コーヒーは膵臓がんの危険を高めるとの調査が1981年に米国で発表されたが、異論も出てはっきりしていなかった。今回は男性だけで予防効果がある可能性が示されたが、研究班は「コーヒー以外の生活習慣や体質の影響もあるのかもしれない」としている。
調査は、全国9府県の40−69歳の男女約10万人が対象。1990年から平均約11年の追跡期間中に233人が膵臓がんになった。
年齢や喫煙などの影響を取り除いてコーヒー摂取量との関係を調べたところ、ほとんど飲まない男性が膵臓がんになる危険度に比べ、1日に1−2杯飲む男性の危険度はやや低く、3杯以上の男性はさらに低いとの結果で、よく飲む男性ほど危険度が下がる傾向があった。