通信販売大手のディノス(東京)が、実際には店頭で販売されていないひな人形のセットなどを「店頭価格より格安」と広告したのは、景品表示法違反(有利誤認)に当たる恐れがあるとして、公正取引委員会は5日、同社に再発防止を求めて警告した。
公取委によると、同社は今年1月に放映されたフジテレビの番組で、日本武道館で開催する人形の販売会を3日間にわたって紹介した際、店頭で販売されていないひな人形と五月人形のセットを「店頭なら50万円するものが、35万円になる」などと宣伝した。
公取委は、存在しない価格と販売価格を比較して安さを強調する「2重価格表示」を不当表示と規定。ディノス側は人形や飾りの単価をもとに、セットで販売した場合の価格を計算し合計を店頭価格として示していた。
ディノスはフジテレビ系列で、テレビやカタログを通じた通信販売を展開。番組では、商品紹介の台本をディノスが担当したため、同社のみが警告の対象となった。