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2007年10月04日(木) 21時29分

誕生から50年、『墓場鬼太郎』のアニメ化が楽しみオーマイニュース

 妖怪は、昔、まだ夜道も暗く、世の中が太陽時間で動いていた頃生まれました。

 暗い夜、自分の足音だけが響く山道。うしろでかすかに草の揺れる音がして、「見えない」恐怖心で妖怪が出来たり、寝る前に壁の木目をじっと見つめていると顔が浮かび上がってくる錯覚に陥り、それが妖怪になったり。迷信や風土が妖怪を創りました。悪さをせずに、じっとしてるだけの妖怪も居るし、やんちゃが過ぎて、人を殺す妖怪も居る。千差万別なそれは、とても愛らしく思います。

 そんな訳で、今回は「ゲゲゲの鬼太郎」をピックアップ! な訳ですが、なんと現在放映されているシリーズは、第5作目。もう、そんなになるのですね。

 シリーズ5作目はやたらと猫娘が可愛いです。さらに、ぬらりひょんの眉毛の色が青い。ちょっとビックリです。人間の味方の鬼太郎は悪い妖怪を倒す! ってなノリは健在。最近の奇抜なアニメとは違う、安心さえする一話完結システム。アンパンマンとかも安心しますね。アニメの原点を感じます。

 鬼太郎誕生から50年。

 2007年8月26日に開催された「第壱拾弐回世界妖怪会議」で、なんと貸本版「墓場鬼太郎」のアニメ化が決定しました。これまでアニメ化に伴ってタイトルの「墓場」を「ゲゲゲ」に急遽変更。内容も、「怪奇もの」から「正義もの」へと、移行して行きました。ただし、今回のタイトルはまだ発表になっていません。

 「墓場鬼太郎」には水木氏の描いた“貸本版”と、それを竹内寛行氏が引き継いで書いた“竹内版”が存在します。だから作品の世界が2つに分岐し、パラレルワールドを展開しているのです。その辺りの事情も時代な感じがして面白いです。

 いわゆる“正義の味方・鬼太郎”の要素を含み始めたのは、竹内版から。貸本版の鬼太郎は全く別人といってもいいです。恐いし、悪いです(笑)。小学生の姿でオープンカーを乗り回し、くわえ煙草で山道爆走したり。口もかなり悪いです。

 この漫画を読んだ時は、固まりましたね。当時、妖怪に興味があって高校の図書室に入り浸り、妖怪事典や鳥山石燕の画集ばかり読んでいたら、司書の先生が「墓場鬼太郎」を図書室に入れてくれたんです。子供の頃から慣れ親しんでいた鬼太郎が、めっちゃ不良。これはショックで、早速私も購入しました。今でも家のすぐ取り出せる所にしまってあります。

 そこで私が今気になる妖怪を紹介します。出演させてもらっているネットラジオ番組でも先日3つ程紹介させて頂いたのですが、改めて別の妖怪を紹介しまーす。

 まずは「たたりもっけ」。この妖怪は死んだ赤ん坊の口から出た魂。宿る所を求め野山を彷徨うのです。妖怪っぽい感じで恐いです。

 しかし、見た目がコウモリ。ビックリしたコウモリみたいなルックスが愛嬌たっぷりでそそります。続きましてこちら「クネユスリ」。この妖怪は、生け垣をゆらしております。それだけの可愛いヤツ。生け垣に怪しさを見いだした江戸時代の人の想像力に感銘を受けます。

 最後にみんな大好き「鬼太郎」。日本で唯一の幽霊の血を引く妖怪。妖怪と幽霊のハーフなんです。「墓場鬼太郎」では、鬼太郎の誕生秘話も入っているのでアニメ化を待っている間にご一読をお勧めします。妖怪って奥が深くて大好き。

(記者:おだ ちえり)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071004-00000007-omn-ent