2007年10月03日(水) 13時44分
もしかして、新種の詐欺?(オーマイニュース)
9月30日、福岡に住む娘から、「ちょっとした事件に巻き込まれた」と電話があった。聞いてみると奇妙な点がいくつかある話だった。
内容はこうだ。友人と2人でファミリーレストランで食事をしていた。途中、お手洗いに入ったら、ドアが少し開いている個室があったので、何の疑いもなくドアを開けると、おばあさんが用を足しており、ドアがおばあさんに少しあたってしまった。
娘は「すみません」と言って別の個室に入った。席に戻って再び友人と話をしていると、その店の店長がやってきた。そして、トイレで遭遇したおばあさんと一緒に、娘と思(おぼ)しき中年の女性、そしてその息子のほうを指さす。
「彼らが、あとで何かあったらいけないので、一応電話番号を教えてほしいとおっしゃってます」とのこと。
娘はただ開いていたドアを開けただけで、おばあさんが中にいることも気付かなかったのだから、自分に落ち度はなく、電話番号を言う必要はないと断った。
しばらくすると警察が呼ばれた。その中年の女性が呼んだらしい。警察は双方から話を聞き、娘のやったことは通常の行為だったと認めた。
そして、「一応民事なので、お互いの話し合いで解決してください」と言い、電話番号を交換するように言ったそうだ。
娘はそれはおかしいと思いつつ、警察の言うことだからと電話番号を渡した。その3世代の家族と思わしき3人はそのまま食事を続けていたらしい。
そして、10月1日、電話がかかってきた。
「おばあさんの血圧が上がった」
相手はそう言った。血圧が上がったこととトイレのドアを開けてしまったこと。その2つが、どう関係あるというのだ。言いがかりとしか思えない。
おかしいと思うのは、明らかに娘に落ち度がないと認めながらも、相手に電話番号を渡させた警察の行為だ。民事不介入の原則はわかる。しかし、後日、電話で脅される危険性は多分にあるのだ。
現に娘のところには翌日に電話がかかってきた。娘は毅然(きぜん)とした態度で、「ドアを開けたまま用を足していたほうに落ち度があるのであって、自分には何の責任もない」と言ったそうだ。しかし、気の弱い人だったら、言われるまま、見舞金でも払わされるかもしれない。
もし、この一連の行為がわざと仕組まれたものであったとしたら新種の詐欺と言えるかもしれない。わざとトイレのドアを開けたままにして、開いていると勘違いした人に、「ドアがあたってケガをした」と脅すという筋書きだ。
安易に電話番号や住所を他人に渡さないことを、警察も、考えたほうがいいと思う。今回の場合も、もし、警察の手に双方の電話番号を渡していたならば、その後に起こりうるさまざまな危険を回避できるはずだ。
これだけ個人情報の流出が問題になっている時代である。当事者同士の直接の接触を避けるためにも、警察には、民事であっても、間に入り、当事者間で個人情報の交換をさせない努力をしてほしい。
(記者:浜井 道子)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071003-00000001-omn-soci