2007年10月02日(火) 00時11分
「L&G」今週半ばに強制捜査へ 警視庁 出資法違反の疑い(産経新聞)
「円天」と呼ばれる独自の通貨や高利の配当金を支払うと宣伝し、不特定多数の会員から違法に資金を集めた疑いが強まったとして、警視庁生活経済課は1日、出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで、今週半ばに健康商品販売業「エル・アンド・ジー(L&G)」=東京都新宿区=の本社や波和二会長の自宅など関係先を家宅捜索する方針を固めた。
エル社は新規の出資者を勧誘した会員に報酬を支払うマルチ商法を展開して規模を拡大。出資者は全国で5万人を超え、集めた金は1000億円に達するとみられるが、実態はその資金を会員へ分配する自転車操業だったとみられる。警視庁では家宅捜索で収集した資料を分析し、詐欺容疑での立件も視野に事業の実態解明を急ぐ。
これまでの調べによると、エル社は「5万9000円を預けると3年後に10万円が返金される」「1口100万を預ければ3カ月ごとに9%(年利36%)の利益が受けられる」とうたい、不特定多数の会員から出資金を集めた疑いがもたれている。
また、「円天」と呼ばれる電子マネーを発行。インターネットサイトや全国の代理店などで「化粧品や生鮮食料品といった商品と交換できる」と勧誘していた。
その一方で、100万円以上を預けている会員が新規の出資者を勧誘すると、新たな出資者が契約した円天や投資商品の総額の25%を報酬として支払う仕組みも構築して勧誘を加速させ、資金を集めていたとみられる。
しかし、今年2月には現金で支払っていた配当を円天で支払うよう制度を変更した後、解約の申し出も凍結。全国の消費生活センターに苦情が相次ぐ事態となっている。
エル社をめぐっては、全国各地で元金返還を求める訴訟が起こされ、東京地裁が今年6〜8月にかけて同社の10口座(計約3000万円)に対して仮差し押さえの命令を出している。民事訴訟を担当している弁護士が出資法違反などの罪で今月中にも警視庁に刑事告訴する動きを見せているほか、東京の弁護士が中心となって被害弁護団も結成される予定だ。
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