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2007年10月02日(火) 00時00分

「円天」あすにも強制捜査へ…5万人から1000億円ZAKZAK

L&G出資法違反

 「円天」は預けた現金と同額の電子マネーが毎年振り込まれる「使っても減らない夢の未来通貨」との触れ込みで、全国5万人から約1000億円を集めたとされ、過去最大規模の巨額詐欺事件に発展する見通しだ。

 エル社は1987年設立で、健康布団などを売るマルチ商法を展開してきたが、2001年ごろから「100万円預けると3カ月ごとに9%の配当を支払う」と高利の配当をうたって出資金を募り始めた。

 これとは別に、疑似通貨「円天」を開始。インターネット上に「円天市場」と呼ぶ円天専用のショッピングサイトを開き、銀座に常設店を設置。全国のホテルで食料品や貴金属を円天で買えるバザーを開催し、細川たかしさん、松崎しげるさん、錦野旦さん、瀬川瑛子さん、坂本冬美さんら大物歌手を招待したコンサートも開き、広告塔に利用してきた。

 だが、配当の支払いに行き詰まり、今年1月には会員らに「現金配当を円天に切り替える」と突然通知。全国の消費相談窓口に苦情が殺到していたほか、会員らが東京や静岡で訴訟を起こした。

 波会長は「円天だけでやっていける次のステージに移っただけ」と強気の弁明をくり返したが、最近は社員の大半を解雇する窮状に陥っていた。

 エル社は会員を「株主社員」と称し、配当を「社員への給料で、不特定多数から集めた出資法違反に当たらない」と言い逃れるが、捜査幹部は「どうみても典型的マルチで、来るところまできた結果だ」とみている。

ZAKZAK 2007/10/02

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_10/t2007100201.html