健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区、波和二会長)が、「100万円を預ければ年利36%」などとうたい、約5万人の会員から総額1000億円超を集めたとされる問題で、同社が有名歌手らを含む芸能人、大学教授を「広告塔」にし、会員集めなどに利用していたことが分かった。警視庁は週内にも、出資法違反(預かり金の禁止)容疑で強制捜査に着手し、関係先を家宅捜索する方針を固めた。
芸能人らを使ったコンサートや講演会を開催していたのは、NPO法人「あかり研究所」。05年6月、「地域経済の効果倍増と景気浮揚の実現」を目的に認証を得た。L&G本社と同じビルに事務所を置き、波会長の家族らが役員を務める。
L&Gの関係者によると、あかり研究所は昨年6月から今年4月まで、複数の有名演歌歌手やタレントを招いたコンサートを開催。毎月10回前後開かれ、会員は無料だったという。
会場では、波会長らL&G幹部がNPO法人認証に触れ「うちの活動は国も後押ししている」と発言。出演した有名歌手が「波会長は立派な人」と、同社の投資商品を宣伝することもあった。L&Gは会員向けの機関誌で「内閣府認証NPO法人あかり研究所主催のコンサートが全国で行われます」とPRしていた。
また、複数の会員の話では、大学教授らによる健康問題をテーマにした講演も開かれた。大学教授は「L&Gでの活動が認められ、助教授から教授になった」「私も『あかり会員』」と話していたという。
コンサートや講演会の会場では、会員が振り込んだ額に応じて付与していた疑似通貨「円天」を使ったバザーが開かれていた。
数千万円以上が返金されないという60代の女性会員は「最初は半信半疑だったが、芸能人や大学教授らが勧めるので信じ込んでしまった。彼らに対しても許せない気持ちだ」と話した。
http://www.asahi.com/national/update/1002/TKY200710010402.html