にせの名古屋コーチンが市場に出回っている問題で、愛知県は２日、独自に市販品を抜き取ってＤＮＡ鑑定する方針を明らかにした。まず名古屋市内の店頭で３０点ほどを買い取り、県農業総合試験場（長久手町）などで調べる。日本農林規格（ＪＡＳ）法に基づき、明らかな偽装など悪質な違反を確認した場合は、改善報告を出すよう指示するほか、業者名を公表することも検討している。
県は７０年代、輸入鶏の普及で絶えかかった名古屋コーチンの系統を再生。現在も同試験場や畜産総合センター種鶏場（安城市）で増殖させている。この日の県議会農林水産委員会で、永田清・農林水産部長は「県の誇る高級ブランド。極めて遺憾で強い憤りを感じる。一刻も早く抜き打ちで鑑定し、きちんと調査する」と述べた。
県食育推進課によると、「名古屋コーチン」の表示はＪＡＳ法で基準が定められているわけではないが、同法では「実際よりも著しく優良と誤認させる」表示を禁じている。