進学や転勤で各地を巡り、結婚して子どもが出来ると家庭内では色々な方言が飛び交うことになる。さっきの言葉は標準語だったのか、いや、どこかの方言だったのかと疑問に思うことはないだろうか。特定地方の方言を扱うウェブは増えているのだが、全国各地を同じように扱えないと調べる手間がかかって仕方がない。そんな時にはパソコンソフトメーカー、ジャストシステムが開設している「全国方言WEBほべりぐ」(http://hougen.atok.com/)がぴったり。
地方チャンネルには、会員登録した約8万人が寄せた方言と用例23万語余りが収録されている。会員は首都圏、近畿圏、北海道、愛知と大都市が多く、人口の少ない県の方言がいくつか欠けているのはちょっと残念。「ほべりぐアンケート」は方言の分布を「ご飯は、よそう?もる?」など会員投票で調べる仕組み。結果をくっきり色分けした日本地図を見るだけでも、方言健在ぶりが分かる。
国立国語研究所が1957〜65年に面接調査した結果をまとめ「日本言語地図」にデータを集積しているが、専門的に過ぎよう。むしろ都道府県別の「日本のふるさとことば集成」CD試聴コーナー(http://www.kokken.go.jp/public/hogendanwa_db/cd.htm)が面白い。石川啄木が上野駅を舞台に作ったという短歌「ふるさとの訛(なま)りなつかし停車場の……」そのままの気分だ。
http://www.asahi.com/kansai/entertainment/webtu/OSK200710010034.html