2007年10月01日(月) 10時04分
オタクによるオタクのための雑誌『メカビ』編集長を直撃!(R25)
メカと美少女。略して『メカビ』。そんなオタク情報満載の雑誌が登場して話題を集めたのは、06年6月のことだ。「オタク文化と社会の接点を作りたい」。そんな信念のもとに作られた『メカビ』第1号は、あっという間に完売、増刷がかかる大ヒットとなった。
「もっと読ませるアニメ誌が欲しかった」という読者的な希望から同誌を立ち上げた松下友一氏(27歳)は、普段は堅めのノンフィクション書籍などを手がける編集者。社内的には“副業”として発行された『メカビ』だが、昨年12月に発行された第2号も好評で、このほどめでたく季刊化が決定した。オタク編集者の熱意が大手出版社の上層部を動かしたのだから、これは痛快! …というわけで、松下編集長にお祝いの言葉を伝えるべく(?)、発行元の講談社を訪ねた。
R25世代の編集長ですね!
「いやあ、社内の正式な役職はヒラなんです。『メカビ』については内容すべてに責任を負っているので確かに編集長なんですが、これ以外の仕事をする時はただの下っ端です。いびつな立場かも……」
講談社には社内副業という制度があるんですね。
「いえ、正式な制度ではないです。『メカビ』は当初、どうしてもやりたければ通常業務に支障を来さなければやってもいいという条件付きで、ゴーサインをもらった企画でした。上司としては、新たな書き手を見つけるツールになるとも考えていたのかもしれませんけど」
それにしても、メカと美少女の組み合わせがこれほど反響を呼ぶとは。
「どちらも男子が大好きなもの。車の雑誌だって、なぜか表紙には水着の女性がいるじゃないですか。男子はみんなメカと美少女が大好き、つまりオタクなんですよ(笑)」
季刊化を果たした今、今後のさらなる目標は?
「うーん。宝くじで10億円くらい当てて、南の島でゲームだけやって暮らしたいっす」
…そんな飄々とした松下編集長だが、もともとは物理学者を目指し、大学院で相対性理論を研究していたという経歴の持ち主でもある。
ところで、メカビ最大の功績と言えば、創刊号で麻生太郎氏のインタビューを実現。氏が熱心な漫画オタクであることを世に知らしめたことだろう。
「普通に事務所に電話してお願いしました。ただ、そのまま説明すると門前払いされてしまうかもしれなかったので、秘書の方には若者文化の究明とか、もっともらしい説明を付け加えましたけど(笑)」
麻生氏が総裁選出馬を表明してから、再び編集部Blogのアクセスが跳ね上がっているという。他にもこれまで、養老孟司やGacktといった“オタクな”著名人へのインタビューを果たし、現代のオタク事情に関する濃い評論企画を掲載してきた『メカビ』。創刊時から標榜する「オタク文化と社会の接点」は、着々と築き上げられつつある!?
(R25編集部)
オタクによるオタクのための雑誌『メカビ』編集長を直撃!の詳細情報
※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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