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2007年09月30日(日) 17時13分

L&G 5万人から1千億円集め返金停止 出資法違反か毎日新聞

 「円天」と呼ばれる独自の電子マネーを導入して資金を集めている健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区、波和二(かずつぎ)会長)グループが、解約希望者への返金を「お金がない」との理由で延期すると一部会員に伝えた。全国の約5万人から1000億円前後を集めたとされるが、会員が資金を回収できない恐れが出てきた。不特定多数から資金を預かることを禁じた出資法に違反する疑いもあり、会員に動揺が広がっている。
 関係者によると、同社は87年に設立。主に1口100万円を「協力金」名目で募り「3カ月で協力金の9%(年36%)が得られ、満期(1年)には元金を返金する」と宣伝してきた。
 数年前には、同様に「保証金」名目で現金を募り、支払った会員には携帯電話で「円天」という電子マネーを支給するシステムを導入。「保証金を預けている限り、同額の円天を毎年渡す」と約束した。現金を使わずにインターネット上のサイト「円天市場」や各地のバザー会場で、布団や着物、アクセサリーなどの商品と交換できることが可能な仕組みに人気が集まり、巨額の資金が集まったとされる。
 ところが今年2月、会員に協力金の金利の支払いを現金ではなく、円天で行うと突然通知。解約や返金を求めた会員に「9月まで応じられない」と説明した。今月26日には同社の創立者の波会長が一部会員を本社に集め、9月中の返金について「今はお金がないから支払えない」と説明。銀座の販売オフィスは家賃を滞納しているため閉鎖される可能性があり、経費節減のために大半の社員を解雇したと明かしたという。
 会員の相談に応じている弁護士らは「元本保証と利息の支払いを約束して出資を募っており、出資法違反の疑いがある」と指摘しているが、同社は「不特定多数から出資を募っているわけではなく、違法ではない」としている。【曽田拓】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070930-00000015-maip-soci