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2007年09月28日(金) 19時12分

ストップ・ザ・エイズ──若者よ、コンドームを持て!オーマイニュース

JR山手線巣鴨駅前の広場(東京都豊島区)で、ミュージシャンの松本玲士(24)は「♪〜コン・コン・コン・コンドーム〜♪ 〜 コン・コン・コン・コンドーム」と歌い始めた。

 マイクを通した軽やかな歌声は、繁華街を駆け巡る。地べたに座っていた2人の若者は笑い出し、子供連れの親御さんは眉をひそめる。

 コンドームの普及を狙った『若者よ ゴムを持て』という3分ほどの歌は「♪大切な命のため 大事な命のため 若者よ立ち上がれ レッツゴー コンドーム…ストップ ザ エーイズ」で終わる。

 まだ明るい午後4時、「コンドーム」と歌う松本さんに、興味を持ち話を聞いてみた。

 『若者よゴムを持て』という歌は、2年前、北海道の札幌から実家のある千葉県木更津まで、リヤカーをひきながら歩いた4カ月半の中で生まれた。
 
 「楽しいはずの性交渉が、妊娠中絶や性病のため悲しいものになっている。性にもルールが必要だ。『ストップ ザ エイズ』だけを訴えるのは、当たり前で面白くない。そうだコンドームだ。コンドームの重要性を、訴える歌があればいいのだ。子供から大人まで、楽しく歌える歌があれば、きっと性病も妊娠中絶も減るに違いない。そして、サビがひらめき1時間で完成した」

と松本さんは話してくれた。そして、仙台の公園で、初めて歌うと聴衆の反応が良かった。
 
 ある音楽プロデューサーに認められ、9月7日『若者よゴムを持て』をメインにした6曲入りのCDを全国リリースした。3カ月で1500枚を売ることを目標に、毎日路上ライブを続けている。11日間で、CDは208枚売れ、好調のようだ。
 
 けれども音楽だけで、食べていくのは難しい。毎朝3時間、牛丼屋でアルバイトをしてから街へ出る。路上では、やくざに追いたてられたりと苦労が多い。しかし、応援してくれている人の支えが、励ましになっているという。
 
 この日松本さんは、巣鴨で2時間ほど歌い、ストリートライブを終えた。

 ギターやアンプを片付け、ゴミ拾いを始めた。タバコの吸殻や、スナック菓子の袋が散らばっている。ゴミ袋2つがいっぱいになった。ギター、アンプとゴミ袋を抱えて、松本さんは「このあとは、高円寺で歌ってみる」と言い、元気に巣鴨駅へと向かった。

(記者:金谷 俊秀)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070928-00000004-omn-soci