東京・表参道の地上げを巡り、地主に無断で土地取引の委任状を偽造し、投資ファンドから11億円をだまし取ろうとしたとして、東京地検特捜部は26日、フリージャーナリストで不動産会社「ワクマック」(東京都千代田区)取締役の二瓶絵夢容疑者(31)ら4人を有印私文書偽造・同行使と詐欺未遂の容疑で逮捕した。他の業者から二瓶取締役らに渡った5億円以上の地上げ資金の一部が使途不明になっており、特捜部はこの解明もめざすとみられる。
ほかに逮捕されたのは、元参院議員秘書で同社社長の市川和久容疑者(45)、都内の不動産会社「マクロプロジェクト」社長の宮沢義隆容疑者(59)ら。
地上げ対象となった土地は、表参道に面した渋谷区神宮前のビルや住宅など約1200平方メートル。 調べでは、二瓶取締役らは昨年10月から11月にかけ、これらの不動産の売買をマクロ社に委任する内容の委任状など5通を偽造。購入を希望していた都内の不動産投資ファンド社長に見せ、買い取り金額110億円の内金として11億円をだまし取ろうとした疑い。投資ファンド社長が地主と面談できないことを不審に思ったことから、詐欺行為がわかったという。
このほか、二瓶取締役らが昨年末、同取締役らに地上げを依頼した都内の飲料販売会社から5億円以上を受け取り、一部が使途不明になっていることも判明している。
関係者によると、女性フリージャーナリストの二瓶取締役は、月刊誌などに国会議員へのインタビュー記事を掲載。北朝鮮による拉致問題の取材では、複数の国会議員と連絡を取り合ったりしていたという。
http://www.asahi.com/national/update/0926/TKY200709260388.html