日中経済協会(会長・張富士夫トヨタ自動車会長)の訪中代表団と中国商務省幹部は26日、両国企業が中国産の食品や製品の安全の分野で協力することで合意した。日中経協側から呼びかけ、中国側が「協力を奨励したい」(担当幹部)と歓迎する意向を示した。
中国産の食品や製品からは有害物質が相次いで検出され、安全性に対する懸念が高まっている。アジア太平洋経済協力会議(APEC)の閣僚会議の共同声明にも、中国を念頭に「食品安全基準の強化」が盛り込まれた。
張会長は会合で「世界的に食品や製品の安全に消費者の関心が高まっている。中国製品の信頼に少しでも貢献できれば」と提案。中国側は「日米欧での中国産食品の合格率は99%以上だが、100%を目指す」(担当幹部)と述べ、日本企業の協力を積極的に受け入れる考えを示した。
会合では、環境・省エネルギー技術の移転や知的財産権の保護も議論。昭和電工の大橋光夫会長は「技術が円滑に移転するためには、正当な対価に基づくビジネスとして成り立つことが重要。第三者への技術流出の防止策も必要だ」と指摘した。
中国企業には日本企業の技術使用料が高いとの不満があるが、中国側は「技術移転の価格はビジネスベースの話」と述べ、政府は関与しない方針を示した。知的財産権の保護については「重視している。日本企業の意見や提案も積極的に受け入れたい」と前向きに対処する考えを示した。
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