山口さんは沼田市出身。13歳でシンナー、16歳で覚せい剤におぼれた。20歳の時には自殺未遂も経験した。
その後、依存症患者が集まる東京の自助グループを通して回復に向かい、古里の群馬県でも患者が集まれる場所を作ろうと、2001年に開設。現在、入所・通所のメンバーは6人で、計50人以上の回復を手助けしてきた。また、学校などで薬物乱用防止の講演活動もしてきた。
自伝出版は山口さんの夢で、昨年10月に執筆を始め、体調を崩しながらも書き続けた。だが、出版が最終的に決まった直後の7月13日に急死し、完成した本を手に取ることはなかった。
同施設の男性メンバー(35)は「薬物を使ったとしても、『それで終わりじゃない、もう一度笑うことができる』。そんな彼女のメッセージが伝われば」と話している。
全国の書店などで発売。問い合わせは展望社(03・3814・1997)へ。